用法や意義は場面によって異なりますが、従業員の出勤時間や退勤時間、欠勤状況、休暇の取得状況など管理を行うことを一般的に勤怠管理といいます。出退勤状況を正確に把握して、法令や会社就業規則の遵守状況等について管理します。会社が勤怠管理を適切に実施しないと、各従業員の労働時間を会社として正確に把握できていないことになり、従業員の実労働時間に対応した適切な賃金を支払うことが困難になります。その場合、未払い残業手当をめぐるトラブルが生じる危険性は飛躍的に高まります。
また、会社が従業員が月に何時間程度働いているのかを正確に把握できない場合、従業員の働き過ぎを未然に防ぐことが出来なくなり、過重業務により精神的な不調をきたしたり、最悪の場合には過労死や過労自殺といった取り返しのつかない事態をまねく可能性があります。企業のコンプライアンスが声高に叫ばれる昨今において、従業員の勤怠管理を適切に実施することは、企業が永続的に活動を継続していく上で必要不可欠なことです。労働基準法で定められた内容は企業が異なっても基本的な内容として共通ですが、就業規則などで定められた内容(所定労働時間や有給日数、特別休暇など)は、企業ごとに異なる管理を行う必要があります。しかし、会社が従業員の全ての始業・終業時間を確認することは事実上不可能ですが、この勤怠管理の記録に基づいて、給与や残業手当の計算や有給休暇の取得日数の管理等を行い、管理の実施の努力を十分にしていない場合、勤怠管理を全く行っていないとみられることがあります。